イラッとするキャッチコピーに遭遇した件
友人が主催した、とあるワークショップに参加した時のお話です。
会場近くの駅で電車を降りました。
ホームから階段を下っていくと、頭上に大きな看板があったんです。
そこにはこんなキャッチコピーが。
デデン!
「まだ持ち家じゃないの?」
・・地元の不動産屋さんの看板らしいんですが、読んだ瞬間、妙にイライラが芽生えまして。
個人的には、あまり持ち家が欲しいとは思わない派なのですが、それでも「馬鹿にされてる」感じがしてムッとしてしまいました。
例えばですよ?
奥さんからのプレッシャーを受けつつ、いつかは自分の家を・・と頑張ってるサラリーマンの人がこれを見たら、どう思うんでしょうね。
「いやぁ、実はそうなんだよね、頑張ってるんだけどねー。あと2年ぐらいしたら頭金貯まる予定なんで、そんときはお願いしよっかなー。」
なんて思うわけないですよね。
自分だったら、
「この店にだけは頼まん・・」
って強く決意しちゃいます。ええ。
ネット上で有名な、とある人のサイトのタイトル「まだ東京で・・・」を真似たんだと思いますが、「気を引いたモン勝ち」という考えが透けて見えて、ちょっと悲しい気分になりました。
ネット上ではこういう、一瞬反感を買うようなキャッチコピーをよく見かけますが、あれはあれで目的があって、
- まずは強い言葉で気を引いて、次の説明を読んでもらう。
- 反感を抱きながらも気になってつい読み進めると、「ふーん、なるほど・・」と納得するような説明が書かれていて、次第に興味を増していく
という流れで、意図をもって設計されています。
なので、一番最初のハードルを越えてもらうために、勢い「煽る」キャッチコピーになるわけです。
ところが、今回紹介した看板では、もちろんそういう詳しい説明は伝えられないので、見た人は悪感情だけを抱いて通り過ぎていきます。
わざわざお金を払って大きな看板を出して、その結果たくさんの人に嫌われている、というなんとも不思議な事態・・。
そもそも何のために看板を出すのか?見た人にどう思ってもらいたいのか?どんな行動をしてほしいのか?
そういった導線を意識しないまま、恐らく「効くキャッチコピーは何か?」がゴールになってしまったのだと思います。
さらには、「受け取った相手が、どんな風に感じるか?」ということに少しでも思いを馳せることが出来ていれば、あのキャッチコピーは採用しなかったと思うのです。
言葉が持つ力はとても強力で、人を幸せにも不幸にもします。あらためて気を付けなければ・・と思った出来事でした。
近況報告
冒頭で「友人が主催するワークショップに参加した」と書きましたが、実は「かばんを作る」という内容だったんですね。
恐らく20年以上ぶりにミシンを触りました。
なかなか思うとおりに行かないものですねぇ・・。何度失敗したことか(-_-;)
でも新しい分野にチャレンジすることが出来て、楽しい経験でした。(^_^)