分かりやすく伝える、ということ
2016/06/30
先日、こんな本を読んだんです。
「コサインなんて人生に関係ないと思った人のための数学のはなし(中公新書ラクレ)」

タテノカズヒロ 著/中央公論新社
図書館の本棚で発見して、「おおっ!面白そうっ」と思って手に取ったのでした。
タイトルが秀逸だったのと、章ごとに短いマンガがあって、絵がなんとなく気に入ったのとで、そのまま貸し出し手続きへ。
確か、最初のストーリーは、「確率」がテーマだったと思うんですが、こんなお話でした。(うろ覚えなので、微妙に違ってると思いますが・・)
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男の人が、突然雨に降られて困っていたら、通りがかりの人に「これどうぞ、1本余ってるんで」と傘を渡されます。
「御礼をしたいけれど連絡先聞けなかったな・・」と思いつつ帰宅すると、傘に電話番号が書かれているのを発見!
でも、水にぬれててほとんど読めません。
「090-1・・・・・・・・」
一緒に見ていた奥さん、「あらら、1までしか読めないね。これじゃさすがに分かんないね・・。」と言うのですが、なんとその男の人は、ケータイを取り出してダイヤルし始めるんです。
「取りあえず、片っ端からかけてみる・・」
って。
「えー!持ち主につながるまでやんの!?ばかじゃないのっ!?」
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・・と奥さんが驚くという話なんですが、実はこれ、「宝くじがいかに当たらないか」をあらわしたストーリーだったんですね。
宝くじに当たるというのは、この男の人が電話をかけまくって、傘の持ち主につながるのと同じぐらい難しい、というわけです。
1/1000万と言われているんですが、数字で示されたってピンと来ません。
でも、このストーリーを読むことで「そうか、宝くじに当たる可能性って、そんなに低いものなのね・・」と妙に腑に落ちたのでした。
ひねりを効かせた比喩表現、とでも言うのでしょうか、「ぼんやり」が「はっ、なるほど・・!」に変わった瞬間でした。
何かを伝えようと思ったとき、例えば、商品の良さやメリットを説明するようなときって、どう伝えようか迷いますよね。
そんな時に、こういう比喩が使えれば、より「なるほど!」と実感してもらいやすいかもしれません。